●本能行為として描くこと
描くという行為は、世界中の子どもによって行われる本能的な行為で、2才頃~10才ごろまで子どもの成長によりそうように変化しながら、つづけられます。
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アルタミラの洞窟壁画
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●画材の物質感から世界とのつながりを確認する
★0~3才児のなぐり描き(スクリブル)
幼児期の大事な活動のひとつに表現活動があります。
いわゆる教育過程のなかでいわれている5領域「ことば」「表現」「健康」「人間関係」「環境」のなかの一領域です。
こどもは2才頃から自然に絵を描き始めます。
なぐり描きといわれるこの時期は、描くことで紙やクレパスなどの物質感を感じたり、手と頭のつながり、世界のつながりをひとつひとつ確認しているようです。
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なぐり描き(スクリブル)
手から伝わる感覚を楽しんで
1才~2才ころ |
●心の中にダイブする子どもの絵
★3才児 前後
3才ぐらいになって、なぐり描きの時期ををすぎると、円が描けるようにママとかパパとか形に意味を与え始めます。
画用紙のなかに子どもなりの世界が展開し始め、このころから描くことは、自分の内面をみつめ思いや感情を表現する活動にかわっていきます。
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頭足人(とうそくじん)お友だちいっぱい
自分とまわりの関係性が絵に表れてきています
3才ころ
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●こどもの自由な表現
★4才児 前後
4才ぐうらいになって形がかけ始めると子どもたちはドンドン絵を描くようになります。
まだ遠近法や科学的な写実画にしばられていませんので、強く感じたものを大きく熱心に描いたりとユーモアいっぱいの形が登場します。
また重力にも縛られていませんので画面を上下左右自由つかって表現していきます。
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感じたことを表現していく。
雨粒の表現がおもしろいですね
雨ふりに傘さしておでかけ
4才ころ
感じたことを表現していく
傘の骨が熱心に表現されています
4才ころ
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●こどもの絵の中に登場する物語性
★5才児 前後
5才ぐらいになると、地面の横線がでてきたり、描いているモチーフがパターン化(記号化)されてきます。
たとえば女の子はかわいいキラキラ目。
お家は四角に三角屋根などパターン化され表現としては
マンネリ化してきます。
その一方で絵の中に物語が生まれてきます。
絵は細かくなっていき、いろいろなモチーフやお話が絵の中で展開していきます。ちょうど社会性が成長している時期ですので自分と社会との関係をお話をつくりながら、絵のなかにどんどん描いていきます。
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地面の線(基底線)のあらわれ
女の子の目はアニメの目のように
かわいく表現されています
おいもほり
5才ころ
物語のあらわれ
森の王様ライオンの怪我を助ける動物たちの絵
草や雲にも顔があり
すべてのものに魂が宿るという
アニミズムの思想を感じることができます
5才ころ
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●神話やファンタジーへの興味
★5才児~ 以降
物語性の登場とともに、世界の始まりや、ものの起源に興味を持ち始めます。
過去から未来への時間的な概念も急速に成長しています。
ただこのときに面白いのは、大人が考えるような科学的な視点ではなく、神話の中にあるようなとられえ方をこどもたちがすることです。
そして神話の中によく登場するトリックスターに子供たちが興味をしめすのも面白いことだと思います。トリックスターは神話の中で性格や見た目が、そして役割までもが変わっていく物語のキーマンですが、近代的な社会では差別され、抑圧されてきたトリックスターに子どもたちは強い反応をしめします。
たとえば狼男や阿修羅など、狼男は満月の夜に人間から獣へと変化し、人間を襲って性格や容姿を豹変させます。阿修羅もまた喜怒哀楽を3面の顔と6つの腕をもち、魔物になったり仏の教えを守る守護神になったりとします。
このような流動性のある性格や事物に、急速に変化する自分の身体や心を重ね合わせているのかもしれません。
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おおかみ
5才ころ
守護神
小学4年生
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